46. energy efficiencyと減エネ

energy efficiencyを、ふつうは「エネルギー効率」と訳すけれど、increase等といっしょに「省エネルギー」という訳を見ることもある。「エネルギー効率の向上」と「省エネ」に違いはなに?とつぶやいたら、「全然違う」「同じじゃないの」という声が同時に帰ってきた。

エネルギー効率を上げるのは、同じ仕事をする(同じ効果を得る)ために使う、電気やガスなどエネルギーを減らすこと。「省エネルギー」もこの意味で使うことはある。たとえば「省エネ」法では、エネルギー使用を合理化してエネルギー効率(原単位)を上げるよう求めている。でも日常生活のレベルでは、たとえば冷房を28℃に設定することも、暖房は使わず重ね着で我慢することも、要するに、同じ仕事かどうかに関わらずエネルギーの使用量を減らすことを広く指すこともある。読み手によっては訳語が違和感を与えないか、注意しなければならない。

環境省の重点施策によると、これからは原単位あたりの効率改善である「省エネ」を超えて、エネルギー消費の絶対量を減らす「減エネルギー」を目指すのだそうだ。たしかに、車の燃費が倍に向上したからと、もう一台増やしたら、結果的にエネルギー消費量は変わらない。効率だけでは見えにくいものがあるに違いない。

 

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