48. neutral

「中立」と「ニュートラル」以外に、訳語はないのかしらん、と思う。
「中立」がよく使われるのは、政治とか、賛否にわかれた議論のような場面以外には、「歳入中立」といった経済用語くらいだろうか。「ニュートラル」は、車のギアしかしらない。「Carbon neutral」が、炭素中立よりカーボンニュートラルとカタカナで広がったのは、その方がわかりやすいからだろうか。land-degradation neutralという表現もある。

「中立」が意味の範囲を広げていろいろなものに使えるようになるか、ニュートラルが市民権を得るか、それとも新しい表現が生まれるか、それまで訳が確立していなければ、意味がわかるような訳を使いたい。

賛成・反対、前・後、プラス・マイナス、どちらの側にもつかない、増やしも減らしもしない、差し引きゼロ、という意味で、neutral自体はよい意味も悪い意味もない(neutral)。前におくものが悪いものであれば、悪い効果はない、というポジティブな意味合いで使われているように思う。

重要なことは、carbonも、land-degradationも、「ない」と言っているのではなく、「ある」けれどもどこかで穴埋めができる、という考え方だということ。前もって貯めた分を使うとか、減った分は別の場所で足すとかして、大きな枠で考えて差し引きゼロにするということだ。

 

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