53. resilience

resilienceの訳は難しくて、長いこと文脈に合わせ回復(力)、対応(力)、レジリエンスなどを使い分けてきた。「国土強靭化」の話題が出るようになってからは、「強靭」(強靭な、強靭化など)も有力だ。政府の文書でも「強くてしなやかな国をめざすレジリエンス(強靭化)」などと書き表している。

実ははじめ、「強靭」とはそういう意味だったのか、と逆に驚いた。確かに辞書には「強くてしなやか」と書いてあるけれど、この「しなやか」は、叩かれても強い反発力で跳ね返しダメージを受けない強さのような気がしていたからだ。Resilienceはどちらかというと、ダメージを受けても立ち直れる、という印象だった。

とはいえ、それが受け入れられつつあり、他に適訳もないなら、重要な訳語候補のひとつではある。