59. toxic とhazardous 有毒と有害

アメリカ環境保護庁(EPA)のレポートに、都市のAir Toxicsが減少したと書いてあった。
Toxicは、名詞でも形容詞でも、ふつうは「毒」があるということで、有毒ガス、毒性物質等の訳語に使われる。
でも大気中に「毒物」がそんなにあったんだろうか。

日本語で「有毒」と「有害」はどう違うだろう。
有毒は、「フグ毒」や、青酸化合物のように、食べたり吸い込んだりすれば、即生命にかかわる危険なもの。一方、「有害」は、安全ではない、という広い意味で使っているように思う。使う場面が違うのだと思う。

ところが、英語のtoxic とhazardous にこのような差があるかというと、そうとは限らないようだ。
現にこのレポートには、air toxics (also referred to as hazardous air pollutants) と明示してあった。
Hazardousは、ふつうは有害とか危険とかの訳語を使う。この場合は、toxicsも「有害」汚染物質(ベンゼンや鉛等)と訳していいようだ。