18. 英訳講座からー所有格をお忘れなく

日本人が英訳をする時に難しいポイントとしてよく挙がるのがaとtheの違いだ。それだけで本が一冊書かれていたりする。英訳講座でも英語のネイティブスピーカーの添削者(チェッカー)が、いつも受講生の冠詞を直してくれる。
でももう一つ、日本人が多くの場合書き忘れる大事なポイントがある。人称代名詞の所有格だ。ほんとうに簡単な文章だと、たとえば、「私は手を洗います」。これを英訳すると、I wash hands.と訳してしまうことが多い。そうすると、ネイティブチェッカーは必ず、Whose hands?と突っ込んでくる。I wash my hands.と書けばいいのだが、英訳を勉強している人が、myを入れることができるようになるまでは実は長い道のりだ。例をもう二つ。「幸せなら手をたたこう」という有名な歌がある。これを英語にすると、If you’re happy and you know it, clap your handsだが、ここでも、「手をたたこう」の訳はclap handsではなくclap your hands。「your」が必要だ。また、「よいお返事をお待ちしています」といったビジネスレターで使う表現でも、I will be waiting for favorable response.と訳してしまいがちだが、ここはyour favorable resposeとしなければならない。
難解な構文や難しい表現をマスターしてもなお、whose …?とチェッカーに突っ込み続けられる私たち日本人英訳者たち…。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。